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2017/01/10

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スペシャルコラムドラッカー再論

第56回

企業家的な二つの機能。

  • エグゼクティブ
  • マーケティング
  • マネジメント
自身の価値観や物の見方や考え方を大きく揺さぶってくれたり、開眼させてくれる言葉に触れる瞬間というものは、誰しも、それなりに仕事をやってくれば、また、それが事業執行や経営というような立場となれば、少なからずあるものだ。

僕にとってのそれは、嘘偽りなく、以下のドラッカーのフレーズだった。

「企業の目的は顧客の創造である。したがって、企業は二つの、ただ二つだけの企業家的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。他のものはすべてコストである」(『マネジメント–-課題、責任、実践』、1973年)

企業活動の意味は、なんなんだろう。

業務の壁にぶち当たったりすると、「そもそも」ということを考えたりするものだ。

それまで、「なんとなく」「当たり前」のこととしてやってきた処々の業務が、果たして本当に意味があるのだろうか、この業務の目的はなんなのだろうか…などと考えたりするようになる。
ある面、そこで人は、仕事の意味づけや本質的な意義・価値を確認するようになり、そうした経験を積むことが、リーダーとして、経営者として大成していく道筋でもあるように思える。

そういう局面で必要となるのが「正しい道しるべ」だが、その道標を与えてくれたのがドラッカーであったという場合が、古今東西の経営者の話を伺っていても、非常に多いのだということを知る。
それが、ここまでドラッカーが、実務経営者に大きく支持される理由なのだと思う。

・「顧客の創造」こそが、唯一の企業活動の目的である。

・そのために必要な機能は、「マーケティング」と「イノベーション」である。

・社内にはコストしか存在しない。利益は「外(=顧客)」にしか存在しない。

全体の中の「ある部分」だけを見て仕事をしているときに、こうした本質をスパッと言われたりすると、ハッとするものだ。(皆さんは、どうだろう?)

2017年がスタートした。混迷の時代と言われつつも、新しいパラダイムへのシフトが各処で行われつつある中で、財界の本年の見通しは決して暗くない。
皆が、次の時代へのチャレンジへの意欲と希望を持っている証拠だと思う。

当社も、当社の使命に基づく「顧客の創造」、そのための「マーケティング」と「イノベーション」に果敢に挑戦していきたい。
2017年も、なにとぞよろしくお付き合いください。

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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