TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 50歳は「人生の正午」。新たな自分と出会う可能性を誰もが持っている

2018/12/20

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第19回

50歳は「人生の正午」。新たな自分と出会う可能性を誰もが持っている

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早いうちから用意周到に第二の人生を考えていなくても、50歳という人生の正午に、あるいはそれ以降に、大きくライフシフトすることができる。

「人生の正午」という言葉、見聞きしたことがあるのではないでしょうか。 心理学者であるユングが残した有名な言葉です。   ユングは、人の人生を、日の出から日の入りまでの時間に例えました。 また、その時間を、少年、成人前期、中年、老人という4つのステージに分け、ステージとステージの間には、転換期という「危機」があると指摘しました。   少年から成人になるには、あるいは、中年から老人になるには、それまでのものの考え方や行動を大きく変える必要がある、しかし、人は簡単にはそのように変化することはできない、と指摘したのです。

そして、人生の午前と午後の境目である中年への転換期、つまり「人生の正午」こそが、人生最大の危機であると考えたのです。

 

ユングは、その年齢を40歳前後と定めていましたが、現代にユングが生きていたとしたら、彼は、人生の正午を50歳と定めたことでしょう。人生100年時代を迎えた今、人生の折り返し地点は50歳です。

 

しかし、人生最大の危機である正午は50歳前後で訪れているけれど、それを自覚しながらも、今までと同じようなものの考え方や仕事の仕方を続け、定年間近になって急に不安に駆られて、大慌てをしている人が多いというのが、今の日本の実情でしょう。最近の「定年本ブーム」は、そんな状況を映しているように見えます。みんなが、60歳以降をどう生きたらいいのか、迷いに迷っています。長く生きること、長く働くことに、困り果てています。

 

■自分の人生の「主人公」になる

では、この本に登場している22人のライフシフターはどうなのか、早いうちから用意周到に第二の人生を考えていたのか、大きな転身に向けての準備をしていたのか、というと、決してそうではありません。ライフシフトしている、といっても、以前と同じ会社にいる人も、同じ仕事をしている人もいます。ライフシフトという言葉から、働く場所や働き方の転換を想起する人たちには、一部はライフシフターに見えないかもしれません。しかし、22人の誰もが、50歳という人生の正午に、あるいはそれ以降に、大きな変化を遂げています。

 

全員が、自分の人生の「主人公」になっているのです。自身が生きていくうえで大切にすべき価値軸に気付き、オーナーシップをもってワクワクしながら生きています。そう、ライフシフトとは、生き方の抜本的な変化です。転職、起業のような外形的な変化のことではないのです。

 

しかし、全員が50歳まではワクワクしながら生きてはいませんでした。誰もが、日本の会社で、会社の意を受けて、会社のために働いてきた典型的な会社員でした。

 

人は誰しも、自分の人生の主人公であるはずです。自分の意志や展望を持ち、生きていくという権利を持っています。どのような学校に進み、何を学び、どんな仕事をするかを決めるのは自分自身です。もちろん全てが希望通りになるわけではありません。第一志望の大学に進めなかったり、行きたかった会社に入れなかったり、というようなことは誰しもが経験することです。しかし、このよう状況になったとしても、そのうえで、どのような道に進むかは、自分で決めることができます。

 

しかし、日本型雇用システムの会社に入ると、その様相は変わります。次に何をするかは、自分ではなく会社が決めることになるのです。一人一人の可能性を最大限に引き出し、能力開発を促すために、さまざまな経験機会を提供する、というような人事方針のもとに、キャリアの選択権を会社が握るのです。

 

仕事ができる人なら希望が通るかといえば、そうでもありません。仕事ができる人は、その部門からなかなか外に出ることができません。優秀であるがゆえに囲い込まれてしまいます。

 

 

プロフィール

  • 大野 誠一氏

    大野 誠一氏

    ライフシフト・ジャパン株式会社 代表取締役CEO

    1958年生。82年早稲田大卒、リクルート入社。「ガテン」(創刊)、「とらばーゆ」、「アントレ」(創刊)、「ダ・ヴィンチ」の編集長を歴任。2001年、パナソニックに転身しデジタルテレビのネットワーク・サービス開発に取り組み、06年、大手家電メーカー共同出資によるジョイント・ベンチャー/(株)アクトビラを設立し代表取締役社長に就任、08年退任。フリーランス時代を経て、11年よりローソンHMVエンタテイメントでスタートアップ企業とのアライアンスなどを推進。現在は、葉加瀬太郎が音楽監督を務めるレーベル「HATS」で新規事業としてオンライン・ヴァイオリン・スクール「葉加瀬アカデミー」を立ち上げている。17年、NPO法人ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也などと共に「人生100年時代」のライフデザインを提唱するソーシャル・ベンチャー/ライフシフト・ジャパン(株)を設立。

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  • 河野 純子氏

    河野 純子氏

    ライフシフト・ジャパン執行役員

    リクルートにて『とらばーゆ』編集長を務めたのち、住友商事に転身し、新規事業開発に取り組む。2017年にライフシフトし、海外留学を経て、2018年より慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科に在籍。同時にライフシフト・ジャパンに参加。個人事務所にて事業開発コンサルティング・プロデュース活動を展開する。

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  • 豊田 義博氏

    豊田 義博氏

    リクルートワークス研究所 主幹研究員

    1983年東京大学理学部卒業後リクルート入社。就職ジャーナル、リクルートブック、Worksの編集長を経て、現在は研究員として、20代の就業実態・キャリア観・仕事観、新卒採用・就活、大学時代の経験・学習などの調査研究に携わる。著書に『なぜ若手社員は「指示待ち」を選ぶのか?』(PHPビジネス新書)、『若手社員が育たない。』『就活エリートの迷走』(以上ちくま新書)、『「上司」不要論。』(東洋経済新報社)、『新卒無業。』(共著 東洋経済新報社)などがある。

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