TOP 社長を目指す方程式 運を操りキャリアを切り拓く 5つの心構えと5つのレッスン

2019/03/19

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社長を目指す方程式

第9回

運を操りキャリアを切り拓く 5つの心構えと5つのレッスン

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント
 

キャリアについての意思決定をするとは、一つの固定したキャリアを宣言することになりますが、自分自身も取り巻く環境も、時事刻々と変化し続ける現代において、それは果たして正しい選択でしょうか?ということを、クランボルツは投げかけているのだと思います。同感です。

 

私たちのキャリアは、用意周到に計画できるものではなく、予期できない偶発的な出来事によって決定される。偶然を柔軟に受け止め、その結果を計画的にデザインしていくことでこそ、良いキャリアを展開できるのです。

 

さて、クランボルツが「計画的偶発性理論」の研究で明らかにしたところによると、偶然を味方につけるために、私たちが持つべき心構えは「好奇心」「粘り強さ」「柔軟性」「楽観性」「リスクテーク」の5つとのこと。

 

この5つの心構えを踏まえつつ、クランボルツがキャリアアドバイスする5つのレッスンを以下にご紹介します(※キャリアカウンセラー向けのレッスンなので、読み手がキャリアカウンセラーの表現となっています。念のためご留意ください)。

 

◆選択肢は常にオープンに。想定外の出来事を最大限に活用せよ!

レッスン①「想定外の出来事がキャリアに影響を及ぼすことは普通のことであり、かつ当然のことであること、そして望ましいことであることを認識しなさい」

 

レッスン②「未決定を治療すべき問題としてとらえるのではなく、用意周到なオープンマインドな状況とみなしなさい。その状態は思いがけない未来の出来事をクライアントが利用することを可能にする」

 

仕事の目標を定めることやキャリアのイメージを持つことは大事なことだと思います。それがなければ、何かを学んだり行動する源泉が湧くことはありませんから。

 

ただ、クランボルツが説くように、それに固執することもまた、問題だと考えます。人生には、予測不可能なことのほうが多いですし、私たちは常に、日々遭遇する出来事や人たちから影響を受け続けています。

 

だから私たちは、結果がわからないときでも行動を起こし新たなチャンスを切り開き、選択肢は常にオープンにして、想定外の出来事を最大限に活用する姿勢が大事なのです。

 

 

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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