TOP 社長を目指す方程式 自分のアイデアが一番?! 思い込みの罠と上司の腕の見せ所

2020/03/17

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社長を目指す方程式

第35回

自分のアイデアが一番?! 思い込みの罠と上司の腕の見せ所

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント

◆上司は部下に「自分が作った」と思わせれば良い

面白いことに、この「自前主義バイアス」は、本当に自分自身が考えた・作ったものでなくとも、当人が「これは自分が考えた」と思い込んでいる(実は別の人が考えた・作った)ものでも同様の現象を引き起こします。
ここにこのバイアスの面白いところ、上司としての腕の見せ所があります。

要するに、上司のあなたが考えた案であっても、あたかも部下たち自身が考えた、提案したように持っていければ、必ずメンバーは気持ちよく取り組んでくれるということです!

 

まさに、ご紹介した私の過去の経験こそ、「ズルい自前主義バイアスの使い方」だったのです。当時、私は「自前主義バイアス」などということは全く存じ上げなかったのですが(笑)。

上司の”勝ち”は、誰の意見が取り入れられたかではなく、チームがビジネスをうまく進めることができたか、成果をあげることができたか、ですから、「これは俺が起案した案だ」などと自慢する必要などなく、自分の案や意見をあたかも部下たちが考えたように持っていき、「キミの素晴らしい案のおかげで、今回、成功することができたよ!」と部下を誉めてあげれば良いのです。

 

「自前主義バイアス」を巧く使える上司は、オトナ度の高い上司でもあるということになりますでしょうか。あなたは使えますか?それとも、それでも「自分がやった」にこだわりますか?(笑)

 

 ※この記事は、「SankeiBiz『井上和幸 社長を目指す方程式』」の連載から転載したものです。
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プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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