TOP 2030年に向かえ! リーダーのためのキャリアメイク戦略 「経営者力診断」を活用して自分の現状を把握する。

2022/09/29

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2030年に向かえ! リーダーのためのキャリアメイク戦略

第41回

「経営者力診断」を活用して自分の現状を把握する。

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本企画は、KEIEISHA TERRACEセミナー『経営者力強化セミナー:経営者の5つの力、13の要素を全解説』(2021年11月11日)を編集し、記事としてまとめ直したものです。

・経営者・経営幹部として、日頃発揮している力のセルフチェックをしたい
・リーダー・管理職として今後、経営陣を目指すに当たり自身の力の確認と求められる要素を知りたい
等、今後のキャリアについてお考え中の方に向けて、2022年10月に当社では「経営者力診断」をリリースしました。開発責任者でもある経営者JP 代表取締役の井上が、経営者力を構成する経営者の5つの力・13の要素について全解説します。

本日お伝えしたいこと

皆さんがイメージする経営者力とは何でしょう。経営者としての「専門知識」「実務経験」「人間性、性格」といったアセットを持っていないと経営はできません。本日参加の皆さんは、当然これらをお持ちだと思いますし、発揮されていると思います。

その上で経営者として望ましい「思考、行動」というものがあります。アセットを使って思考、行動でアウトプットする。逆に思考、行動を行うところからアセットにフィードバックしていく。こういう往復運動を繰り返して、皆さんは経営力をつけられていると思います。今日の話は、この経営者として望ましい「思考、行動」にアプローチしていると理解していただければと思います。

では、なぜ我々はここにアプローチしているのか。皆さん、経営行動・マネジメント行動を伸ばしていきたいでしょう。そのためには、それをなるべく形式知化し、誰しもが習得、強化可能なものにし、定点観測が可能なものにし、さらに再現性を高めていくことが重要です。そうした考えをもとに、当社は2021年10月1日に「経営者力診断(経営人材度アセスメント)」をリリースしました。

 企業に買われる経営人材の共通点 必須の5つの力

我々は経営者力の方程式というものをつくっています。それは5つの要素から構成されます。「描く力(構想力)」、「決める力(決断力)」、「やり切る力(遂行力)」、「まとめる力(リーダーシップ力)」、「学び続ける力(学習力・習慣化力)」です。そのうち「描く力」、「決める力」、「やり切る力」は必須の3因子です。これに加えて「まとめる力」と「学び続ける力」の2つが、掛け算のレバレッジ因子となります。

我々がこだわっているのは、マネジメント人材には「幹部人材」と「経営人材」がいるということです。幹部とは上位幹部を指すこともありますが、ここではミドルマネジメント=中間管理職だと思ってください。経営人材は経営ボードを担うクラスの方々です。

両者はいったい何が違うのか。幹部人材は、会社の「問い」に答える人であると理解してください。経営が求めるお題がある。それを託され、成果を出すことにコミットするリーダーです。一般的には部長や課長の立場にある人たちがこれに当たります。

それに対して経営人材は、会社の「問い」を立てる人です。我が社は今、何をすべきか。今後、何を目指してどこへ向かうべきなのか。目的や方向づけを行うリーダーです。一般に経営者、経営ボードメンバー、執行責任者などがこれに当たります。

ここで注意が必要なのは、「幹部人材」(課長~部長=中間管理職層)としてご活躍・昇進してこられた、その頑張りの延長線上に、「経営人材」(事業部長・役員=経営層)のポジションが存在するわけではないということです。幹部人材としての仕事と経営人材としての仕事は、別物です。組織上の役割と、幹部人材、経営人材のなすべき思考・行動が合致しているかを、よく見ることが有益かと思います。

「やり切る力(遂行力)」と「まとめる力(リーダーシップ力)」で勝負の「幹部人材」

幹部人材と経営人材をふまえて、5つの力を説明したいと思います。幹部人材で力点があるのは「やり切る力(遂行力)」と「まとめる力(リーダーシップ力)」です。「問い」に答える幹部人材には、「やり切る力」と「まとめる力」の2つの力が特に欠かせないということは、皆さんの経験上からもご理解いただけると思います。

「やり切る力」とは、絵に描いた餅で終わらせずに、決めたことを徹底的に実行する力です。「やり切る力」の要素としては、「戦略を分かりやすく説明、周知、浸透させているか」「戦略を果断に遂行しているか」「業績への強いコミットがあるか」が挙げられます。やり切るためには、何をやるかを自分が正しく理解して、メンバーにきちんと説明できなければいけません。そして、しっかりと揺るぎなく進めていけるか。結果に結びつくところまで行動できるかどうかも重要です。

戦略の説明、周知、浸透については、戦略や方針を自分の言葉でわかりやすく語り、管轄する組織や関係者に向けてメッセージを発信・周知しているか。戦略の果断な遂行については、ビジョン・戦略の実行が困難な状況でも、実現に向けて最後までやり遂げているか。業績へのコミットについては、いかに困難な状況にあっても、自らの信じるところに従って行動し、迫力と粘りでさまざまな障害を克服し、必ず業績を上げることにコミットしているかが問われます。

「やり切る力」を高めるには、「決着癖」「納品癖」をつけるとよいでしょう。決めたことを、たどり着くまでちゃんとやらないと気持ちが悪い。そうしたマインドセットが重要です。そのためには、大きな目標を小分けにして、ショートゴールをひとつひとつ潰していく習性を身につけましょう。目標、テーマをはっきりさせることも大切です。さらに「経験的処理可能感」を持つことも重要です。これは心理学用語で、今までの成功体験にもとづいて、未知の領域に対して類似性を見出して「こうすればうまくいくだろう」と確信する感覚です。

「まとめる力」とは、組織・チームのために「人を動かして、ことをなす」力です。「まとめる力」の要素としては、「信頼を獲得しているか」「組織を組成、場づくりに気を配り、チームをリードしているか」「メンバー個々の個性、主体性を活かし、人材開発・育成に務めているか」が挙げられます。

信頼の獲得については、遵法精神や倫理性を持ち、私心のない姿勢によって、さまざまな利害関係者と信頼ある人間関係を構築しているか。組織リードと育成については、メンバーたちが自ら意識を高め成長していくための、効果的な仕組みや場を提供しているか。人と組織の能力開発については、多様な価値観を尊重し、さまざまな意見や考えを生かしながら、創造性や革新などの組織能力を高めているかが問われます。

「まとめる力」を高めるには、経験に尽きるところがあります。経営層の方に話を聞くと全員が順風満帆で来ているわけではなく、人間関係の修羅場を体験するなど痛い目に遭っている方が多くいらっしゃいます。そういう経験を生かすことが重要です。また、リーダーシップスタイルを知っておくことも重要です。リーダーシップにはさまざまなものがあり、自分のいる局面でどのスタイルが望ましいのかを知っておくべきです。

「7つの習慣」というものがありますが、そのうちの公的成功の意識(第4の習慣:Win-Winを考える。第5の習慣:まず理解に徹し、そして理解される。第6の習慣:シナジーをつくりだす)を常に持つことも、「まとめる力」を高めるために重要です。

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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