TOP ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術 ほんのちょっと心の持ちようを変えるだけで、人生も毎日も変わる

2023/02/23

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ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術

第143回

ほんのちょっと心の持ちようを変えるだけで、人生も毎日も変わる

  • キャリア
  • ビジネススキル
そして多くの人への取材を通じて、改めて強く感じたことがある。誰かの役に立ち、「ありがとう」を言ってもらえる以上の幸せが果たしてあるか、ということである。起業に成功して巨額の資産を得ながら、今もなおリスクを取って果敢に挑戦をし続ける経営者が多いのはなぜか。誰よりも働き、猛烈な努力をしているのはなぜか。ぜいたくに暮らすことや名声を得ることに、実は本当の幸せはないからではないか。彼らが頑張り続けているのは、そうすることで、より多くの人の役に立てるからだ。より多くの人を幸せにできるからだ。そしてそれこそが、自分の大きな幸せにつながるのである。
 
一方、思うように仕事や人間関係が進んでいかないことに、悩んでしまう若い人も多い。以前、新入社員向けの研修で話をさせてもらったことがあるのだが、そこで話したのは、成功者や著名人に共通する心の持ちようだった。それは、最初から多くを期待していない、ということである。彼らの多くが、世の中や人生の不条理さ、不合理さをしっかりと受け止めていたのだ。
 
人生が思い通りにならないなんて、当たり前のこと。そもそも世の中は、不条理で不合理で不平等で理不尽で残酷なもの。実際、これは事実ではないだろうか。そのことに真正面に向き合い、その事実をしっかり受け入れれば、最初から覚悟が生まれる。だから、起業家しかり、メダリストしかり、有名俳優しかり、とんでもない努力をしていても、当人は大した苦労などとは思っていないのだ。皆、涼しげな顔をして昔を振り返るのである。
 
加えて、うまくいっている人たちは、自分を喜ばせるのが、とてもうまい。別の言い方をすれば、幸せのハードルが低いのだ。だから、ちょっとしたことでも幸せに感じられる。幸せ感を感じられるから、次のモチベーションにつなげていくことができる。苦虫をかみつぶしたような顔で過ごすのではなく、本当は大変なのに、ほがらかににこやかにしている。だからこそ、人も集まってくる。チャンスもやってくるのだ。
 
人生は必ずしも思い通り、計画通りにいくわけではない。むしろ、いかないことのほうが多いかもしれない。思ってもみないことが起こる。だから問われてくるのは、そういうときにどう対応できるか、である。
 
私自身、苦しさは当たり前なのだと教わり、自分でもそう思えるようになったことも人生を大きく変えた。ラクして生きられるなんてありえない、努力は必ずしも報われない。そう思っていれば、そのつもりで動けるようになる。これもまた大きな「マインド・リセット」だった。
 
多くの人に「マインド・リセット」を体験してほしい。そして、思ってもみないような未来の到来を、実体験してみてほしい。私がそうだったように。 他の記事も読む。60秒で簡単無料登録!レギュラーメンバー登録はこちら >
 
 
■書籍情報
マインド・リセット 不安・不満・不可能をプラスに変える思考習慣 (単行本)

著者: 上阪 徹
出版社:三笠書房
価格:1,540円

 

この記事は、アイティメディア株式会社の許諾を得て
「ITmediaエグゼクティブ『ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術』」
の連載から転載したものです。無断転載を禁じます。

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プロフィール

  • 上阪 徹氏

    上阪 徹氏

    ブックライター

    1966年兵庫県生まれ。リクルート・グループなどを経て、94年よりフリーランスに。
    著書に『JALの心づかい』『社長のまわりの仕事術』『あの明治大学が、なぜ女子高生が選ぶNO.1大学になったのか』『10倍速く書ける 超スピード文章術』『成城石井はなぜ安くないのに選ばれるのか?』など多数。インタビュー集に『外資系トップの思考力』『プロ論。』シリーズなど。
    他の著者の本を取材して書き上げるブックライター作品も60冊以上に。

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