2017/03/28
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【新・経営者の条件】福永暢彦氏
第4回
捨てるという判断をしないと、新しいことにチャレンジするスペースが生まれない。(4/4)
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福永 トップダウンで経営方針に責任を持つことは、当社のようにまずは70点、80点を目指している企業には必要なことだと考えています。
ただし、私の考えているトップダウンは、ワンマンとは違います。トップの役割は、経営の大方針や戦略などを責任持って決めることですが、トップダウンで下ろすとはいえ、社員からすると、最初から自分で決めてやっていたことのように思えるまで目的を共有していくことが大事です。
現状では「皆で考えたことを一緒にやっていこう」という局面ではないので、私が決めたことを引っ張って行きますが、その一方で、目的の理解と共有に関しては追い込まないといけないと考えています。
井上 そこには修羅場もあったと思いますが。
福永 私が着任して3日目に基幹システムの入れ替えという大イベントがあり、それがいきなりトラブルになったことがあります。お取引先から自動で発注が来るのですが、正しい発注データが1000個のところを2000個と変換されたり、どこの店に運ぶかということもきちんと紐付けできていないなど、大変な状況が1ヶ月程度続きましたね。
井上 そんなことから始まったんですね。
福永 先ほど申し上げたように、取引チェーンやアイテムを絞り込んだ際に、多くのご指導をいただきました。社内でも不安の声が広がり、強烈な逆風が吹きました。
井上 そういうときには、かなり精神的にもキツい状況になると思うのですが、福永さんはどうされているんですか? 何を支えに?
福永 主旨を何度も繰り返しお伝えして、理解していただくことしか出来ませんでした。何度か繰り返すうちに、「僕のことは宇宙人だと思ってあきらめてください」みたいなことを、冗談で少しずつ言えるようになったときに、自然と理解いただけたかと思っています。
唯一の支えだったのは、「会社を変えていくためには絶対にやり抜かないといけない」ということが明らかだったことです。
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