TOP 社長を目指す方程式 社長になる人は動機付けがうまい 社員のやる気を引き出す「5つの特性」

2019/06/11

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社長を目指す方程式

第15回

社長になる人は動機付けがうまい 社員のやる気を引き出す「5つの特性」

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント

 

◆「④自律性(Autonomy)」「⑤フィードバック(Feedback)」

当社ではまた、自分が担当していることには、基本的に自己裁量権・意思決定権があります。決定を仰ぐ事項も、上から指図されたり、「ああしろ」「こうしろ」と先に言われるのではなく、担当者が「こうしたいですが、良いですか」というコミュニケーションを取ります。

 

やりがいを持って仕事をするには、自分が創意工夫できることが大事です(「④自律性(Autonomy)」)。同じことをやっていても、人から指図された仕事はいまひとつのらないし、自分が試行錯誤したものは面白いですよね。

 

自分がする仕事に意思決定権があると「自律性」が確保され、モチベーションに好影響を与えます。自分のやり方で仕事を進められ、上司からああだ、こうだと細かいことを指図されず、仕事を任せられている状態を作ってあげることが大事です。自分のすることは自分で決める「自己決定権」を与えられることは、やる気を引き出す大きな要因です。

 

私の出身会社であるリクルートは、江副さんが創業した当初から現在に至るまで、とにかく称賛する・褒める機会をオフィシャル・アンオフィシャルに作ることを徹底してきた会社です。

 

皆さんも聞いたことがあると思いますが、私が入社した当時などは、オフィスのあちらこちらに受注や目標達成のお祝い垂れ幕が垂れ下がっており、太鼓がなったり、本社では目標達成速報の館内放送が流れたりしていました。社内報などもものすごい種類が発行されており、それぞれの中でいい仕事が取り上げられていたり、イベントなども全社や各事業部で開催されそこでも必ず表彰プログラムが組み入れられています。

 

とにかくあらゆる機会で良い仕事、業績を認め、称賛するというDNAが構築されている。それもリクルートの強さ、業績の高さの秘訣だと思います。

 

人は認められたり称賛されるから、更に頑張るものです。「⑤フィードバック(Feedback)」の仕組み、仕掛けがあるか否かも、やる気を大きく左右します。

 

また、そもそも自分が行った仕事に対してフィードバックがあり、手ごたえを確認できるか否かはモチベーションを左右します。

 

業績達成の可視化のみならず、上司の定性的な評価やお客様からの感謝の言葉など、自分が行った仕事に対して何らかの結論、評価、反響を知ることが大切です。

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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