TOP 社長を目指す方程式 社員のやる気を引き出して生産性UP 「働きがいのある職場」の作り方

2019/07/09

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社長を目指す方程式

第17回

社員のやる気を引き出して生産性UP 「働きがいのある職場」の作り方

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント

 

◆「なんとかなる!」がチャレンジや困難克服へと向かわせる

第3因子「なんとかなる!」因子は、前向きと楽観がチャレンジ風土で新しい事業や困難克服へとチームを向かわせます。
常にポジティブで楽観的であること。自分や他人を否定するのではなく受容することは、幸せであり続けるためにとても重要な要素です。自己肯定感が高ければ、たとえ困難な状況に直面したとしても、大丈夫、なんとかなるさ、と捉え行動することができます。

 

「私は物ごとが思い通りに行くと思う(楽観性)」
「私は学校や仕事での失敗や不安な感情をあまり引きずらない(気持ちの切り替え)」
「私は他者との近しい関係を維持することができる(積極的な他者関係)」
「自分は人生で多くのことを達成してきた(自己受容)」

 

チャレンジする風土、前向きな失敗を歓迎する風土創りが、ますます大事になっています。また同時に、やりっぱなし、中途半端を許さない、「決めたことをやり切る」「粘り腰でやり続ける」「トライ&エラーをポジティブに繰り返し続ける」風土をあなたがチームに作れたとすれば、それこそが最強組織のDNAとなるのは間違いありません。

 

◆「ありのままに!」で自分らしく働き、自律を促す

第4因子「ありのままに!」因子は、自律、自分らしく働く、ダイバーシティと個々の強さを確立します。
他の誰のためでもなく、「自分らしく」あるか、働けているか。心理学用語では「オーセンティシティ(本来感)」とも呼ばれ、自分と他者とを比べることなく、周囲を過度に気にせず、ありのままの自分を受け入れ、自分らしい人生を送る姿勢が、確かな幸せをもたらすのです。

 

「私は自分のすることと他者がすることをあまり比較しない(社会的比較のなさ)」
「私に何ができて何ができないかは外部の制約のせいではない(制約の知覚のなさ)」
「自分自身についての信念はあまり変化しない(自己概念の明確傾向)」
「仕事上の判断を頻繁に切り替え過ぎない(最大効果の追求のなさ)」

 

これはかなり個々人が持つ性格・気質の側面に起因するのは事実です。EQの因子で言いますと「社会的自己意識(周囲から自分がどう見られているかを聞きする度合い)」が日本人は総じて高く(強く)、起業家やオーナー型の経営トップは非常に低い傾向があります。

 

農耕民族型の国民性を変えていくことはそう簡単なことではありませんが、自社や自組織において、最近流行りの「心理的安全性」を担保して、「ありのままの自分でやっていいんだよ」という環境を上司として醸成してあげられることが望ましいです。あるいは採用時に、この部分の自律性(独自性)や社会的自己意識の低い人材を積極的に採用するということで、第4因子の強い人(=このタイプは総じて第1因子・第3因子も高い傾向があります)の集団を形成するという手もあります。

 

 

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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