TOP 社長を目指す方程式 経営者はなぜストレスに強いのか 上に立つ人は景色の見方が違う

2019/11/26

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社長を目指す方程式

第27回

経営者はなぜストレスに強いのか 上に立つ人は景色の見方が違う

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント
 

これを説明してくれる心理学理論に「ABC理論」があります。
「ABC理論」はアルバート・エリスが1955年に提唱した「論理療法」の中心概念です。出来事(Activating event)、信念(Belief)、結果(Consequence)からなる認知に焦点をあてた考え方で、人の行動を、ある出来事(A)に対して、こういう結果(C)が発生している。それは、その出来事に対する信念(B)を持っているからである、という捉え方をしてみる見方です。
要するに、まったく同じ場所で同じ経験をしても、人それぞれで異なった受け取り方や感じ方をしているため、ある人は喜び、ある人は悲しむといった違いが生まれるのです。

 

先のケースであれば、「競合コンペで負けた」(A)→「負けは失敗で、辛い、恥ずかしいことだ」(B)と考える人は、「失注してしまった…失敗だ」(C)と思う訳です。しかし、「競合コンペで負けた」(A)→「負けは自分が足らない部分に気づき、学べるチャンスだ」(B)と考える人は「なぜ負けたかを分析して次のコンペに活かそう」と思いますし、→「負けは、自分との相性が合わないということ」(B)と考える人は「相性の悪い顧客と付き合うことにならなくて済んでよかった」と思います。

 

起きている出来事はあくまでも中立的なもので、それをどう解釈するかで私たちの感情や行動は180度変わります。その解釈の仕方次第で、同じ現実を生きていても、ある人は不遇な人生を歩むことになり、ある人は超ハッピーな人生を歩むことになる。大げさに言えば、人生も大きく変わるのです

 

 

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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