TOP 社長を目指す方程式 「コロナ後の世界」を今からイメージ 勝ち抜く未来思考法

2020/05/12

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社長を目指す方程式

第39回

「コロナ後の世界」を今からイメージ 勝ち抜く未来思考法

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント

 

◆「散歩していて気がついたら富士山の頂上にいた」ということはあり得ない

一般的に私たちは、現状から課題やテーマを認識し、その上で何をやらなければならないか、何ができるかを思考し行動します。至極真っ当ですし、現実的な考え方であり行動方法です。
しかしこれで成し遂げられることは、おおよそ想像の範囲内、「想定範囲内」のことでしかありません。取る手段、やる努力も、常識の範囲内に留まります。これが一般的な人の普通の行動です。

 

そもそも、時に優れた経営者が狂気だと言われるのは、こうした思考や行動を取らないからです。

新しい事業やサービスを産み出す人は、現実など一切構わず、「こんなサービスを提供したい!」「このような社会、世の中になるべきだ!」という妄想から出発します。
先にゴール(理想的な姿や理屈抜きのパーフェクトな目標)を決めてしまい、その上で後から「ではそれを、一体どうやれば実現できるだろう?」と考え、そのためにあの手この手で動き回るのです。
いま上司の皆さんが「ウィズ・コロナ」「アフター・コロナ」時代に生き残る、勝ち残るために取らなければならない思考・行動は、間違いなく「これまでの延長線上」のものではありません。柳井さんの言う通り、「自らが手掛けている『事業、商品・サービス』の存在意義を一から見つめ直す」こと、そこからバックキャスティングであるべき姿をまずイメージすることでしょう。

 

富士山やエベレストに登るには、まず「何としても、あの山の頂上まで登ってやろう」というゴール設定が必要です。日本や世界のことわざにあるように、<散歩していて気がついたら富士山やエベレストの山頂にいたなどということは、絶対にない>のです。

◆「フィードバック」と「フィードフォワード」の両利き上司に

「フィードバック」と「フィードフォワード」という対抗概念がありますが、皆さん、聞いたことはありますでしょうか。

 

もともとは開発手法からきている言葉ですが、人事・人材開発関連でも長らく使われてきており、業務などの結果を元に次の打ち手や改善を考える=PDCAサイクルを回すのが「フィードバック」。対して、未来について何をやりたいかをまず考え、それについてどうすれば到達できるだろうかというアイデアを出し合うのが「フィードフォワード」です。

上司の皆さんは、これまでの業務経験やマネジメントご経験から、PDCAを回す「フィードバック」思考・行動はお得意、お手の物です。今後もこれは必須マネジメントスキルです。

 

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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