TOP 社長を目指す方程式 相手の性格を「5つの因子」で把握 部下を適切に管理して活かす便利ツール

2019/10/29

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社長を目指す方程式

第25回

相手の性格を「5つの因子」で把握 部下を適切に管理して活かす便利ツール

  • キャリア
  • ビジネススキル
  • マネジメント

 

◆5因子の強弱から推し量る、部下の適切な活かし方

では上司の皆さんが、ビッグファイブをどのように使うか。部下のマネジメントという視点で、簡単にご紹介してみましょう。

 

「外向性」は、周囲の人たちとのかかわりや新しい出会いなどに対してどう反応するかを示しています。スコアが高い人は「楽観的で調子のいいタイプ」、低い人は「落ち着いているタイプ」。高い部下は、放っておいても自分から話しかけてきますから自由にさせてあげるのがよいでしょう。一方低い人は、自分をいじってくれるのを待っていたりします(笑)。こちらから絡んでいってあげることが良好なコミュニケーションを築くちょっとしたコツになります。
「神経症的傾向」は、プレッシャーのかかる仕事や不安になるようなトラブルなどネガティブな出来事に対してどう反応するかを示します。
スコアが高い人はネガティブな出来事に遭遇した際、動揺しやすいが傾向がありますから、上司から安全性の担保やリスク回避の具体策を提供してあげることが必要です。一方では感受性が高く、繊細な気配りができる人なので、その良さを活かした仕事を与えることが望ましいですね。
低い人は物事に動じず、冷静に判断を下すことができるので、タフな局面に頼もしい部下です。変革を擁するような仕事のリーダーとして抜擢するのが本人にとってもやりがいある仕事になります。一方では、自分に近づく危険に気づくのが遅いという側面もありますから、あまりにイケイケで進んでいるときはリスクチェックを促してあげると上司としての株があがるでしょう(笑)。

 

「誠実性」は、目の前で起きた出来事、定められた目標に対して、どう対応していくかを示します。
スコアが高い人は、一点集中型で目前の問題解決や目標達成に向けて誠実に取り組む性質を持っています。長期的な計画を立てて遂行することも得意で、公私共に安定感のある人として頼られる存在でしょう。こんな部下が自分の下にいたら感謝ですね。しっかりテーマを与えて取り組んでもらいましょう。
低い人は注意散漫で飽きっぽい性質を持っているので、上司としては気苦労が絶えないかもしれません…。ただし衝動的な分、さまざまなものに興味を持ち行動力を発揮する能力も兼ね備えているとも言えますから、新規開拓や新規事業などで力を発揮してもらう場を検討するのも一考です。

 

 

プロフィール

  • 井上 和幸

    井上 和幸

    株式会社 経営者JP 代表取締役社長・CEO

    1966年群馬県生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社リクルート入社。人材コンサルティング会社に転職後、株式会社リクルート・エックス(現・リクルートエグゼクティブエージェント)のマネージングディレクターを経て、2010年に株式会社 経営者JPを設立。企業の経営人材採用支援・転職支援、経営組織コンサルティング、経営人材育成プログラムを提供。著書に『ずるいマネジメント 頑張らなくても、すごい成果がついてくる!』(SBクリエイティブ)、『社長になる人の条件』(日本実業出版社)、『ビジネスモデル×仕事術』(共著、日本実業出版社)、『5年後も会社から求められる人、捨てられる人』(遊タイム出版)、『「社長のヘッドハンター」が教える成功法則』(サンマーク出版)など。

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